健聴者と聴覚障害者とのコミュニケーションに使える4つのツール

聴覚障害者と健聴者とのコミュニケーションツールといえば、LINEやZoomが主流ですが、これらのツールはアカウントを取得しなければいけない、会議用URLを共有する必要がある、お友達登録が必要など、事前に設定する必要があります。

交流がある健聴者と聴覚障害者の場合は困ることは少ないですが、とっさにコミュニケーションが必要になるケースでは、このような設定はとても煩わしいです。

そこで今回は、設定不要!事前にアプリをインストールしておけばすぐに使える、健聴者と聴覚障害者のコミュニケーションツールを4つご紹介いたします。

目次

聴覚障害者のコミュニケーションに使え4つのツール

特徴価格
UD手書き手書きや音声認識でコミュニケーション可能無料
UD手書きPro分割された画面で相互にコミュニケーションや、文字や画像の移動などが可能無料
こえとら音声認識やユーザー登録した相手とチャットでコミュニケーションが可能無料
SpeechCanvas長時間の音声を文字起こしすることができる無料
SpeehCanvas for Biz事前に固有名詞を登録できるので、専門性の高い会話も可能。セキュリティ強化月額30,000円(税別)〜
UniTalkerGoogle Chrome専用音声変換チャット。複数人での会話を文字起こししてわかりやすく表示できる無料

健聴者と聴覚障害者は「音の壁」があるので、耳で声を聞いて言葉でコミュニケーションを取ることが難しいです。

そのため聴覚障害者は、様々なコミュニケーションツールを使用して健聴者とやりとりを行う方が多いですが、数多く存在するコミュニケーションツールは何がいいのでしょうか?

ここからは、上記の表にある健聴者と聴覚障害者のコミュニケーションに使える4つのツールを解説し、あなたに最適なコミュニケーションツールが選べるようにご紹介します。

KIZUKI

なにかアプリ使ってる?ヒナタくん

HINATA

うーん、ないかな

これから紹介するアプリを体験したまえ!

はーい

1.UD手書き/UD手書きPro

UD手書きは、ユニバーサルデザインを取り入れた、誰でも簡単に使うことができる手書きメモリアプリです。

App StoreもしくはGoogle PlayからUD手書きをインストールして起動するだけで、筆談を行うことができる画面が立ち上がります。

無料版では画面中央に「UD手書き」という文字が表示されていますが、画面右下にある設定から「開発支援+背景ロゴ表示切り替え」を選んで250円を支払うことで消すことができます。

画面右下にある「吹き出しマーク」をタップすることで、健聴者が話したことを文字に起こすことができます。

ここで文字に書き出した音声は、「完了」をタップするとアプリを立ち上げた画面に文字として保存されます。

また、画面左下の「カメラマーク」をタップすることで、写真を撮影したり、端末内の写真をUD手書きに呼び出して、写真に文字を書き込むことができるので、「この場所にいきたいのですが、どうやって行けばいいですか?」などわかりやすいコミュニケーションが可能です。

耳が聞こえない、あるいは聞こえにくい聴覚障害者が、誰とでも筆談ができることを目指して開発されたコミュニケーションツールなので、ノートにメモをとって筆談するように手軽に健聴者とコミュニケーションをとることができます。

さらにUD手書きリリースから3年後に追加リリースされた「UD手書きPro」では、iPadで画面を2分割して対面で使用でき、写真やテキストを回転、移動、サイズ変更と自由に利用できるようになっています。

UD手書き、UD手書きPro共に無料で利用できるので、自分に合った方を選んでみましょう。

【参照】UD手書きとは +Voice
【参照】「UD手書きPro」をリリースしました UDトーク

2.こえとら

「こえとら」は、聴覚障害者支援アプリとして高精度音声認識技術や、高品質音声合成技術を使用して、スマートフォンやタブレットなどで手話や筆談を使用することなくコミュニケーションがとれるツールとして開発されたアプリです。

アプリを立ち上げると、上の画面が表示されて、「会話」や「チャット」で健聴者とコミュニケーションをとることができます。

まず「会話」では、8つのツールを使用することができますが、その中でも「音声で答える」をタップすると、健聴者の声を文字に起こすことができます。

右側中央のオレンジ色の矢印をタップすると、「はい」「いいえ」「わかりません」の3つの返事が表示されるので、1タップで返事することができるようになっています。

また、アプリを立ち上げて最初に表示される画面から「チャット」を選ぶと、ユーザー登録をしているこえとらユーザー間で、チャットでやりとりを行うことも可能です。

【参照】「ノーマライゼーション障害者の福祉」2018年2月号 障害者保健福祉研究情報

3.SpeechCanvas/SpeechCanvas for Biz

「SpeechCanvas」は、音声を文字に変換する音声認識技術を使って、生活の様々なシーンで健聴者と聴覚障害者がコミュニケーションをとることができるツールです。

音声認識技術を使って声を文字に変換するアプリは数多く存在していますが、SpeechCanvasはふりがな付きで音声を文字に変換します。

画面が2分割されているので、文字起こしされた音声は自分とは反対方向に表示されて相手が読みやすくなりますが、画面右下の「画面の回転」をタップすることで、自分が見やすいように画面を回転させることが可能です。

文字起こしされた音声は、画面下部の左側にある「履歴」をタップすれば、いつでも見返すことができます。

長い音声を文字起こしすることが可能なので、講義や授業、ビジネスシーンなど幅広いシーンで聴覚障害者のコミュニケーションツールとして活用することができます。

また、「SpeechCanvas for Biz」では法人向けにユーザーIDごとに特有の固有名詞を登録することができるので、専門性の高い会話も可能です。

システムの信頼性や安全性も高まり、情報漏洩の脅威に対する対策が強化されています。

【参照】聴覚障害者との会話支援アプリ「SpeechCanvas ForBiz」をスマートフォン向けに提供開始|@Press https://www.atpress.ne.jp/news/214034

4.UniTalker

「UniTalker」は、スマホアプリではなく、GoogleもしくはTwitterのアカウントで利用できるPCブラウザGoogle Chrome専用のコミュニケーションツールです。

会議など複数人が会話をするシーンで利用することが想定されたコミュニケーションツールで、音声を文字に変換することができます。

音声認識のコミュニケーションツールでは、複数人の会話を聞き取ることが難しかったですが、UniTalkerではアカウントごとに音声を認識して、リアルタイムのチャットのように音声を文字に起こすことが可能です。

UniTalkerのホームページから無料で利用することができ、作成したルームの招待を送ることが可能なので、幅広い健聴者と聴覚障害者の複数人での会話をサポートしてくれるコミュニケーションツールです。

【参照】UniTalker https://unitalker.com/

KIZUKI

体験してどうだったかね?

HINATA

わたしにコレ!と合った状況次第で使えたらいいなと思った

そうそう、会議とか1対1とかの状況だね

まとめ

健聴者と聴覚障害者は、主にLINEやZoomなどのツールを利用してコミュニケーションをとることが多いです。

しかしこれらのコミュニケーションツールは、事前に設定が必要なのでとっさにコミュニケーションが必要になったシーンでは使い勝手が悪いです。

そこで今回ご紹介した4つのコミュニケーションツールを活用することで、とっさに健聴者と聴覚障害者がコミュニケーションをとる必要があるシーンで手軽に利用することができます。

「SpeechCanvas for Biz」は有料ですが、その他のコミュニケーションツールは基本的に無料で利用できるので、ぜひ試してみてくださいね。

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