補聴器の4つの種類とそれぞれの値段相場。選び方は?

日本補聴器工業会の調査によると、購入者の89%が「生活の質が向上した」と回答している補聴器は、聴覚障害者を抱える方にとってはなくてはならない補助具です。

その補聴器には、大きく分けて4つの種類があり、補聴器の種類ごとに値段相場が異なります。

そこで今回は、補聴器の種類と種類ごとの値段相場、補聴器の選び方を詳しく解説していきます。

目次

補聴器の種類は?それぞれのメリットデメリット

補聴器には様々な形状やタイプがあるので、聴覚障害の程度や常時補聴器を装着するかどうか、目立ちやすいか目立ちにくいかどうかなどで選ぶと良いでしょう。

ここからは、主に4つの補聴器の種類の特徴と、選ぶメリットとデメリットを解説していきます。

耳かけ型補聴器

軽度〜重度まで幅広い聴覚障害を抱えている方に適している耳かけ型の補聴器には、「BTE」「RIC」「RITE」など、小型タイプから重度難聴向けのハイパワータイプまで幅広いラインナップが特徴の補聴器です。

レシーバー部分を耳にかけて、耳穴に合わせて作成したイヤーチューブを通して、あなたの耳に音が届く仕組みです。

また、レシーバーが補聴器本体ではなく、耳の中に入るイヤチップに内蔵されているモデルもあります。

このモデルは、従来の耳かけ型補聴器と比べるとサイズが小さく目立ちにくい他に、補聴器本体のマイクから細いワイヤーを通して耳穴の中に位置したレシーバーに音を届けるので、音質が良いという特徴があります。

最後に耳介に装着したレシーバーから音を出す耳かけ型補聴器は、従来の耳かけ型補聴器と比べて大きいので目立つというデメリットがあります。

耳かけ型補聴器のほとんどのモデルは、本体でボリュームを調整したり、プログラムを切り替えることができるので、幅広い用途に活用することができます。

耳あな型補聴器

軽度〜中度程度の聴覚障害を抱えている方に適している耳かけ型補聴器には、「カナルタイプ」と「CICタイプ」の2種類がある補聴器です。

カナルタイプは、幅広い程度の聴覚障害に適した補聴器で、耳栓のように小さいので目立ちにくいというメリットがあります。

CICタイプは、可能な限り目立ちにくい補聴器を探している方に適した補聴器で、軽度〜中度程度の聴覚障害に適しています。

しっかりと耳穴に収まる形状をしているので、ほとんど第三者から見えることはありません。

耳あな型補聴器は、絶えず補聴器を装着する必要がある聴覚障害の方に適した補聴器の種類で、帽子やメガネの着脱の際にわずらわしい思いをすることがないというメリットがあります。

また、耳あな型補聴器に限っては、ひとりひとりの耳の形に合わせて補聴器を作るオーダーメイドと既製品の2つから選ぶことができます。

オーダーメイドはひとりひとりの耳の形などに合わせて特注で作りますが、既製品はすでにある補聴器を購入することになるので、耳にフィットしないなどのデメリットがあります。

最後にスマートフォンやパソコン内部の音声も補聴器で楽しみたいという方は、「フォナック」と「ベルトーン」というメーカーの耳あな型補聴器であれば、Bluetoothに対応している補聴器の種類があるので、iPhoneでの電話やLINE・zoomなどに対応することが可能です。

ポケット型補聴器

幅広い聴覚障害の程度に対応できるポケット型補聴器は、大きな本体で単三や単四電池で動作するという手軽さが大きなメリットの補聴器の種類です。

手元で簡単に補聴器本体を操作することで、聴覚障害の程度に応じたボリュームで音を出すことができ、マイクを相手の口元に近づければ、騒音の中でも聞き取りやすいです。

しかし大型で目立ちやすく、コードが邪魔になって動きにくい、衣服の擦れなどの雑音も聞こえてしまうなどのデメリットがあるので、常に補聴器を装着したい方はストレスを感じることがあるでしょう。

骨導メガネ型補聴器

一般的な補聴器と異なり、小さな振動端子によって作り出された音を、直接耳の後ろの骨である乳様(にゅうよう)突起を振動させることで音を伝える補聴器の種類です。

音はテンプル先の太い部分の小さな振動端子で作られ、頭蓋骨を経由して内耳に伝わり、蝸牛(かぎゅう)神経を刺激して、音として認識される仕組みです。

メガネとしても骨導メガネ型補聴器を利用できる一石二鳥の補聴器で、メガネのレンズに度を入れたり、サングラスとしても使うことができます。

しかし一般的なメガネのようなデザイン性がなく、色はブラックとゴールドとシルバーの3色、形も限られるというデメリットがあります。

【参照】骨導式メガネ形補聴器・骨伝導補聴器・骨導補聴器|あわじ補聴器

補聴器の値段相場と選び方

補聴器はタイプを限定しなければ、一般的には両耳で15万円程度が値段相場と言われています。

しかし補聴器のタイプや、補聴器ごとの機能などによっては、さらにこの値段相場を超えることも多くあります。

ここからは、補聴器の種類ごとの値段相場と、あなたに最適な補聴器の選び方をご紹介いたします。

補聴器の種類ごとの値段相場

補聴器の種類特徴値段の相場/片耳
耳かけ型補聴器オーダーメイドする必要がないので、耳の形に左右されず、販売店ですぐに試すことができる。音のこもりや耳あなの閉塞感を軽減して、快適な聞こえをサポートしてくれる。役5〜50万円
耳あな型補聴器ひとりひとりの耳の形や聴力、操作性などに応じてオーダーメイドで作ることができるので快適に使える。目立ちにくい極小型がある。役5〜50万円
ポケット型補聴器大きな文字表示とわかりやすいボタンで操作しやすく、電池を簡単に交換できて比較的リーズナブル。約3〜9万円
骨導メガネ型補聴器メガネやサングラスとしても補聴器を活用できる。22万円

補聴器の値段相場は幅広いですが、小型、高性能、充電可能の補聴器は高額になりやすく、両耳で100万円近い値段になる補聴器もあります。

しかし身体障害者手帳を交付されている場合で聞こえの程度によって、補聴器の購入や修理費用が市区町村から支給される場合があるので、自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

補聴器の選び方

補聴器は購入後に微調整を重ねて耳にフィットさせていく機器なので、すぐにピッタリ補聴器がフィットする人は珍しいです。

最近ではインターネット通販などで補聴器が購入できるようになりましたが、このような特性から補聴器を通販で購入するのはおすすめできません。

「認定補聴器技能者」が在籍する店舗に来店して、プロに相談しながらあなたに最適な補聴器を、時間をかけて探してみましょう。

いきなり補聴器を購入するのではなく、店舗によってはレンタルサービスを2週間数千円程度で行っていることがあるので、活用しながらいろんな補聴器を探すことをお勧めします。

まとめ

補聴器は、「耳かけ型」「耳あな型」「ポケット型」「骨導メガネ型」の4種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

補聴器ごとの値段相場は様々ですが、耳かけ型と耳あな型で約5〜15万円程度、ポケット型で3〜9万円程度、骨導メガネ型で22万円程度です。

補聴器は高価な機器なので、いきなり購入するのではなく「認定補聴器技能者」が在籍する店舗で時間をかけて相談しながら決めるようにしましょう。

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