【聴覚障害者と身体障害者手帳】交付方法や受けられる福祉サービスは?

「身体障害者手帳を申請しようか悩んでいる」という方は、ぜひかかりつけ医に相談してみましょう。

身体障害者手帳の交付を受けることで、さまざまな公的な福祉サービスを受けることが可能です。

今回は、聴覚障害者の方の身体障害者手帳と題して、4つの等級と症状、申請方法、受けられる福祉サービスについて解説していきます。

目次

身体障害者手帳とは?聴覚障害による等級は4段階

身体障害者手帳とは、障害の程度により国が定めた基準に従って交付を受けることができる公的な手帳のことです。

聴覚障害者の方が身体障害者手帳の交付を受ける際は、6級、4級、3級、2級の4段階にわかれています。

ここからは、聴覚障害者の方が身体障害者手帳の交付申請を行う際に等級決定の目安となる症状について解説していきます。

身体障害者手帳6級の症状

両耳とも平均聴力レベルが70㏈以上、または一側耳の平均聴力レベルが50㏈以上、両側耳の平均聴力レベルが90㏈以上の場合

平均聴力レベル70㏈以上〜90㏈未満では、近くに居る人の話し声を聞き取ることができず、耳元で大きな声で話しかけてもらうことで、声を聞き取ることができる状態と言われています。

身体障害者手帳4級の症状

両耳と共に平均聴力レベルが90㏈以上

重度難聴と呼ばれる聴力レベルで、聞こえる音は工事現場の騒音や電車の通過音、自動車のクラクションなどの100㏈を超える大きな音となります。

また、補聴器を装着していても、声を聞き取ることが難しいと言われています。

身体障害者手帳3級の症状

両耳と共に平均聴力レベルが90㏈以上

重度難聴と呼ばれる聴力レベルで、聞こえる音は工事現場の騒音や電車の通過音、自動車のクラクションなどの100㏈を超える大きな音となります。

また、補聴器を装着していても、声を聞き取ることが難しいと言われています。

身体障害者手帳2級の症状

両耳ともに平均聴力レベルが100㏈以上

聴力レベルが100㏈以上になると、耳元で大きな声で話しかけられても、声を聞き取ることが難しくなります。

普通の声の大きさは、ほとんど聞き取ることができません。

【参照】身体障害者手帳って何ですか。どうやって取得するのですか。|神奈川県聴覚障害者福祉センター http://www.kanagawa-wad.jp/faq05.html

身体障害者手帳の申請方法

身体障害者手帳は、決まった書類に必要事項を記入して、添付書類と併せて窓口に提出してから、おおよそ1〜2か月程度で交付されます。

ここからは、身体障害者手帳の交付を受けるまでの申請方法について解説していきます。

1.申請窓口で書類一式を受け取る

居住地の自治体の障害福祉窓口、もしくは自治体のホームページ上から「交付申請書」と「身体障害者診断書・意見書」を受け取ります。

病院側が用意してくれているケースもあるので、まずは身体障害者手帳の交付を受けたいことを医師に相談してみましょう。

2.診断書・意見書の作成

身体障害者手帳の申請をするためには、診断と意見書が必要です。

こちらは身体障害者福祉法第15条の指定を受けている「指定医」しか書くことができないので、かかりつけ医が指定医ではない場合は、主治医から紹介を受けるようにしましょう。

3.自治体の障害福祉窓口に提出

必要書類がそろったら、自治体の障害福祉窓口に書類を提出します。

申請書類などを提出する際は、運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書や、印鑑、証明写真をあわせて用意しておきましょう。

証明写真は、一般的な証明写真機にある「履歴書サイズ」のタテ4cm×ヨコ3cmの大きさのもの1枚でかまいません。

手続き中に紛失しないように、証明写真の裏には生年月日と名前を記載しておくと安心です。

4.障害等級の決定・身体障害者手帳の交付

申請書類などを提出した後に、審査の後障害等級が決定します。

おおよそ1〜2か月程度で、身体障害者手帳の交付決定の書類が郵送されてきます。

決定書類に記載の持ち物を持参のうえ、障害福祉窓口まで身体障害者手帳を受け取りに行きましょう。

身体障害者手帳を取得するメリット

身体障害者手帳の交付方法についてここまでご紹介してきましたが、身体障害者手帳の交付を受けることで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

ここからは、身体障害者手帳を取得することで受けられる福祉サービスについてご紹介いたします。

障害者雇用への応募

障害者雇用促進法によって、従業員を43.5人雇用している民間企業の事業主は、障害者を1名雇用しなければならない義務があります。

ここでいう障害者とは、知的障害者や精神障害者の他に、聴覚障害者の方を含む身体障害者の方です。

障害者雇用で働くためには、原則として身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者福祉手帳が必要になります。

障害者雇用の求人を探す際は、企業のホームページ上にある求人ページや、ハローワークなどを活用することになります。

【参照】事業主の方へ|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html

補聴器などの購入や修理費用の助成

聴覚障害者の方が障害者手帳の交付を受けた場合、国が性能を認めた一部補聴器について、購入時の助成制度を受けることができます。

助成を受けるためには、以下の5ステップで申請が必要になります。

  1. 自治体の障害福祉窓口で申請書を受け取る
  2. 指定医から意見書を受け取る
  3. 障害者総合支援法取扱の補聴器販売店から、補聴器の見積もり書を受け取る
  4. 判定の結果、給付の許可がおりれば「補装具費支給券」が支給される
  5. 補装具支給券を、障害者総合支援法取扱の補聴器販売店に持参して、補聴器を受け取る

自己負担額は原則1割程度となり、身体障害者手帳の等級2級・3級が「重度難聴用補聴器」、4級と6級が「高度難聴用補聴器」の補聴器が支給されます。

【参照】補聴器購入の出費を抑えられる制度|株式会社いわきリオン補聴器センター https://www.iwakirion.jp/subsidy/

税の特例

  • 所得税…27万円(特別障害者は40万円)が差し引かれる
  • 相続税…85歳になるまでの年数1年につき、10万円(特別障害者の場合は20万円)が差し引かれる

上記は全国的な税の優遇措置ですが、身体障害者手帳の交付を受けることで、自治体が定めた金額の所得控除を住民税で受けることができます。

身体障害者手帳を取得したら、お住まいの自治体窓口に問い合わせてみましょう。 【参照】障害者と税|国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm

公共料金や公共交通機関運賃の割引

  • NHK受信料…100%免除
  • SoftBank…ホワイトプランの基本料無料
  • NTTdocomo…対象プラン基本使用料が1,700円割引
  • au…対象プラン基本使用料50%割引 など

身体障害者手帳の交付を受けることで、上記の免除や割引を受けることが可能です。

また、利用している公共交通機関の割引制度を利用できたり、水道料金の割引制度も利用できる場合があります。

まとめ

聴覚障害者の方の場合、身体障害者手帳は4つの等級にわけられています。

申請から交付決定までおおよそ1〜2か月程度の期間が必要になりますが、身体障害者手帳を取得することで、さまざまな減免や免除・割引制度などを受けることが可能です。

生活を助けてくれる身体障害者手帳の交付には、指定医による診断書や意見書が必要になるので、あなたが必要であれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

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