国際手話通訳・ガイド協会とは?事業内容やなぜ国際手話を学ぶ必要があるのかを解説

手話は、日本で見かける「日本手話」以外にも、アメリカ手話やイギリス手話など、その国や地方ごとに独立した「国際手話」があります。

しかし国際手話ができる人は少数で、年々高まる国際手話通訳者の需要に追いついていないのが現状です。

一般社団法人 日本国際手話通訳・ガイド協会では、日本手話と国際手話を学べる講座を実施しており、「手話を学びたい」という気持ちをサポートしてくれます。

また、需要が高まる国際手話通訳者ですが、なぜ国際手話通訳者の需要が高まっているのでしょうか?

今回は、日本国際手話通訳・ガイド協会の事業内容と、国際手話を勉強すべき理由について解説していきます。

目次

一般社団法人 日本国際手話通訳・ガイド協会とは?

一般社団法人 日本国際手話通訳・ガイド協会とは、国際手話を学んだ手話通訳者たちが中心となって、学んだ国際手話をいかして、国際的な行事の手話通訳や、情報保障の手助けを行っている団体です。

手話には日本手話の他に、アメリカ手話やイギリス手話など、世界には300種もの手話が存在していると言われています。

また、近年では外国人観光客の増加や、ビジネスのグローバル化などによって、耳のきこえない海外の方に対する手話通訳の需要が高まっていることもあり、日本国際手話通訳・ガイド協会の活動へと繋がっています。

ここからは、日本国際手話通訳・ガイド協会が実施する手話講座や、国際手話通訳者の派遣事業について解説していきます。

日本手話・国際手話講座を開催している

国際手話通訳・ガイド協会では、日本手話講座を実施しています。

国際手話通訳・ガイド協会が実施する日本手話講座は、以下の2つがあります。

  1. 手話通訳を科学する(聞き取り表現コース、読み取り表現コース)
  2. もっと日本手話を学ぼう(初回全3回コース、初回修了後実技1回・2回コース)

両講座では、現役の日本手話通訳者(聴者)や、日本手話通訳者を希望する人(聴者)が対象となっており、手話通訳者が自ら自身の諸問題を把握・解決することを目指して実施されます。

さまざまなジャンルの教材を使用して、聞き取り表現を行い、その様子を高画質ビデオカメラで録画して、通訳データを分析した後に、客観的評価を行います。

受講料は、3,000円〜15,000円となっており、国際手話通訳者・ガイド協会の公式ホームページから申し込むことが可能です。

国際手話通訳者の派遣事業も実施している

日本国際手話通訳・ガイド協会では、国際手話通訳者の派遣事業も実施しています。

ビジネスや国際的な行事、観光ガイドなど、さまざまな国際手話が必要なるシーンが近年増えていますが、国際手話通訳者が足りていないという問題を抱えています。

日本国際手話通訳・ガイド協会では有料で国際手話通訳者の派遣を行い、ビジネスやイベント・観光などの手助けを行っています。

国際手話通訳者の派遣場所によっては、国際手話だけではなく、日本手話通訳も求められる場合がありますが、その際は相談に応じてくれるとのことです。

国際手話をなぜ学ぶ必要があるの?

冒頭で解説したとおり、国際手話の需要は時代の変化と共に高まっていますが、具体的にどうして国際手話を学ぶ必要があるのでしょうか?

ここからは、国際手話を学ぶ理由と背景、間近に控える国際イベントの存在について解説していきます。

国際手話ができる人が不足している

アメリカ手話であれば、北米以外でも広く使用されていることから、利用者は約100万人と言われていますが、聴者であり、アメリカ手話が使える人は圧倒的に足りていないのが現状です。

では、国際手話通訳者が足りないと、どのような事態が起こるのでしょうか?

例えば、海外から日本に観光に訪れた方であれば、言葉が通じない、文化が違うなかで、耳が聞こえないという大きな壁が立ちはだかります。

日本では福祉サービス窓口や医療窓口で、筆談や手話に対応しているところが増えていますが、それは日本手話に限定されており、海外の手話には対応していないので、非常に大きなストレスがかかることになります。

もしこれが、異国の地で医療機関を受診しなければならない状況であればどうでしょうか?…命に関わることもあるというのは容易に想像することができます。

しかし、国際手話通訳者が不足している現状では、気軽に滞在中の手話通訳を依頼することができないという“壁”があります。

ここまでお話ししたのは海外の方が日本に観光に来た際ですが、ビジネスシーンであれば商談が進まない、国際イベントでは、議題を共有できないなどさまざまな困難が立ちはだかります。

そのため、国際手話を学ぶ人を増やし、国際手話通訳者として活躍できる人材を現状より増やすことが求められています。

2025年のデフリンピック東京に向けて需要が高まっている

2025年夏に、東京でデフリンピックが開催されることが決定したことで、国際手話通訳者の需要がより高まりました。

デフリンピックは、国際的なろう者によるスポーツ大会のことで、日本で開催されるのは今回が初めてとなります。

デフリンピックが東京で開催されることで、これまで「見えない障害」だった聴覚障害に対して理解が広まることが期待されており、今からも開催を楽しみにしている方が多いのではないでしょうか。

先ほどご紹介した、日本国際手話通訳・ガイド協会の講座の受講者は、これまで100人程度だったのが300人にまで増加しており、「国際手話を学びたい」という方が増えています。

日本国際手話通訳・ガイド協会のように、国際手話が学べる場で国際手話を学ぶことで、デフリンピックをはじめ国際的な行事で活躍できるだけではなく、就職・転職の際にもあなたの強みになります。

まとめ

一般社団法人 日本国際手話通訳・ガイド協会は、日本手話・国際手話講座を実施して、特に国際手話通訳者の育成や、国際手話通訳者の派遣事業を実施しています。

近年のグローバル化、外国人観光客の増加、国際的な行事の開催などで、国際手話通訳者の需要は年々高まっていると言っても過言ではありません。

しかし、国際手話通訳者の総数が需要に追いついていないのが現状で、気軽に国際手話通訳者に手話通訳を依頼できないという問題を抱えています。

もし「手話を学びたい」と感じている方が、国際手話を学び、国際手話通訳者になったら、国内外のろう者を、さまざまな面でサポートすることができるのではないでしょうか。

ビジネス、観光、イベントと、さまざまな国際的なニーズに応えるスキルを持っているということは、あなたの強みにもなるので、就職や転職の際に有利に働きます。

これを機会に、国際手話講座を申し込んでみてはいかがでしょうか。

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