聴覚障害者の店主の夢と想いが詰まったラーメン屋さん「麺屋 義」とは?アクセス情報も紹介

ラーメン好きこそ「ラーメンはお店で食べたい」と感じている方が多いと思います。

グツグツと煮えたぎるスープの音と、麺をゆでる熱気は、お店でしか味わえないラーメンのおいしさを引き立てるスパイスです。

そんなラーメン屋さんを、聴覚障害者の方がきりもりしているお店が東京にあります。

今回は、聴覚障害者の店主が営む「麺屋 義」はどんなお店?工夫や特徴についてご紹介いたします。

目次

手話が飛び交うラーメン屋「麺屋 義」とは?

聴覚障害の主人と、聴覚に障害を持つスタッフ、健聴者のスタッフがおいしいラーメンを提供してくれる「麺屋 義」は、ラーメン通もうなるおいしさと話題です。

過去にテレビ出演したこともある人気店ですが、店主がラーメン店を立ち上げた際の想いと、耳が聞こえないながら、どのようにしてお客さんから正確に注文を確認しているのでしょうか?

ここからは人気ラーメン店「麺屋 義」とは?工夫や特徴についてご紹介いたします。

手話メインの会話で店内はとても静か

ラーメン屋さんに入ると、「いらっしゃい!」と活気あふれた声で出迎えられるイメージがある方が多いですが、西日暮里にある「麺屋 義」に入店すると、スープが煮えたぎるグツグツとした音が出迎えてくれます。

入り口近くの食券機で食べたいラーメンの食券を購入して、食券をカウンターに置くことで注文することができます。

万が一食券を買い間違えても大丈夫なように、食券機の右手側に「お買い間違い」の札がつるしてあるので、札を差し出して買い間違えた旨を申告することで、ちゃんとあなたが食べたいラーメンを注文することができるようになっています。

なぜこのように券・札で申告するのか。直接言葉で申告すればいいじゃないか。…このように思われた方が多いと思いますが、店主の和義さんには聴覚障害があるため聞こえません。

こうした食券や札によるコミュニケーション方法は、和義さんが正しくお客さんの注文を確認できるように考えられた方法というわけです。

和義さんがラーメンをゆでるときは、タイマーをセットして麺をゆで始めます。

しかしタイマー音は聞こえないので気が抜けません。麺を手際よくゆでて、他のスタッフと手話でコミュニケーションをとりながら、おいしそうなラーメンを作り上げていきます。

ラーメンを食べ終わったあと、どんぶりの底には「ありがとう」という言葉を手話にしたイラストが描かれており、これは和義さんがひとりひとりのお客さんへの想いを伝えたい一心でオリジナルで発注したどんぶりです。

このどんぶりを見たからか、食事のあとに手話で「ありがとう」を伝えるお客さんも多いそうです。

ラーメン職人塾に入塾を断られたことも…

店主の毛塚 和義さんが「麺屋 義」をオープンしたのは2016年のこと。

それまでは自身が立ち上げたろう者によるプロレス団体でプロレスラーをされていたようです。

しかしある日、「自分の店を持ちたい」という夢を叶えるために一念発起して、ラーメン職人への道を志(こころざ)しました。

ラーメン職人になるために、和義さんはラーメン塾に入塾することを決めましたが、「耳が聞こえない」という理由で入塾を断られてしまいます。

入塾を断られても夢を諦められなかった和義さんは、手話通訳士を連れて再度ラーメン塾を訪れて説得し、入塾後の授業では先生に筆談でたくさん質問したそうです。

入塾から書きためたノートは3万ページにものぼり、和義さんのラーメン作りへの熱意が感じ取れます。

和義さんは理想とするラーメンを追い求めるあまり、体調を崩すこともあったそうです。

和義さんは読売新聞の取材で、「プロレス団体を立ち上げるときも、ラーメン店を開くときも、いつも誰かが助けてくれたのは『やりたい』とアピールしていたからだと思う」と語っており、「聞こえないから難しいと思ってもあきらめずに声を上げて、周りを巻き込んでいってほしい」と語っています。

ラーメン通もうなるおいしいラーメンが自慢

プロレス団体立ち上げにラーメン店店主という異色の経歴を持つ和義さんが作るラーメンは、ラーメン通がうなるおいしいラーメンとして有名です。

人気の「特製義ラーメン(醤油)」は、琥珀色(こはくいろ)の醤油ベースのスープで、タマネギなどの香味野菜の風味がやさしく鼻腔(びくう)を通り抜けていきます。

中細の麺は、なめらかな麺ですが弾力があって歯ごたえが非常にいいことが特徴で、存在感を感じさせてくれます。

特製義ラーメンには、煮卵、2色のネギ、2種類のチャーシューがのっていて、バラロールチャーシューと、レア仕上がりの肩ロースチャーシューなので、違う味わいや食感を楽しむことができます。

さらに魚粉やフライドオニオンなども乗っているので、「麺屋 義」でしか味わえない絶品ラーメンとして人気です。

定番のラーメン以外に期間限定ラーメンも考案(こうあん)されていて、おいしいラーメンへの探究心がすさまじく、常に前へ前へと高い向上心でお店を営んでいます。

このご時世、おいしいラーメンはすぐにネット上をかけめぐり有名になるので、食券機の上には、ラーメン界では著名な方々のサインとツーショット写真が並んでいることから、「麺屋 義」は高く評価されていることがわかります。

「麺屋 義」へのアクセス

聴覚障害者の方が夢をかなえて立ち上げたラーメン屋さん「麺屋 義」。

ここからは「麺屋 義」へのアクセス方法と、来店前の注意点について解説していきます。

西日暮里駅から徒歩5分

「麺屋 義」は、JR線・東京メトロ千代田線「西日暮里駅」より徒歩5分の大通り沿いにあるラーメン店です。

東京都台東区東区谷中3-24-1

平日・土曜日:11:30〜14:30 18:00〜20:00

祝日曜日:11:30〜14:30 夜は休み

休業日:毎週木曜日

公式ホームページ

Googleマップで「麺屋 義」と検索すると表示されるので、来店の際はGoogleマップを利用すると便利です。

白を基調とした和の雰囲気が特徴の外観なので、すぐにお店を見つけることができます。

スープが売り切れたら営業終了

「麺屋 義」は営業時間内でもスープが売り切れたら営業終了となります。

営業しているかどうかは、「麺屋 義」のTwitterやInstagramFacebookで告知されるので、来店前に一度チェックしておくと安心です。

まとめ

聴覚障害を抱える店主が営む「麺屋 義」は、ラーメン通もうなるおいしいラーメンが食べられる人気点です。

西日暮里駅から徒歩5分という好立地にあるので、アクセスしやすく、耳が聞こえる・聞こえないを問わずに、誰もがおいしいラーメンを食べることができます。

「麺屋 義」は営業時間内でもスープが売り切れたら営業終了になるので、来店前に「麺屋 義」のTwitter・Instagram・Facebookで営業状況を確認してから来店するようにしましょう。

聞こえないというには大きなハンディキャップですが、聞こえないということで夢を諦めるのではなく、やりたいとアピールして、周りを巻き込むことで夢を叶えることができる可能性がぐっと高まります。

「麺屋 義」の店主が作るラーメンは、夢を追い求める人へ勇気を与えてくれる一杯なので、ぜひ近くまで来られた際は訪れてみてはいかがでしょうか。

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