全国高校生手話パフォーマンス甲子園が2022年も開催され、話題となっています。
毎年開催されている全国高校生手話パフォーマンス甲子園ですが、情報が少ないので「どんな大会なの?」「何を競い合うの?」と疑問がつきない方が多いと思います。
また、全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出場したいと感じている高校生の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、全国高校生手話パフォーマンス甲子園とは?出場方法や出場条件などについて詳しく解説していきます。
全国高校生手話パフォーマンス甲子園とは?

2013年(平成25年)10月にはじめて鳥取県で開催された「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」。
開催当時は、全国の高校から47チーム、50校の応募があり、予選を勝ち抜いた20校によるさまざまな表現を競い合いました。
この全校高校生手話パフォーマンス甲子園が、2022年も3年ぶりに鳥取県で開催されました。
ここからは全国高校生手話パフォーマンス甲子園とは?何を競い合うのかについて解説していきます。
高校生による手話パフォーマンスの祭典
全国高校生手話パフォーマンス甲子園とは、高校生による手話パフォーマンスの祭典で、手話言語を使った歌唱やダンス、演劇、コント、落語、漫才など、高校生の若い力による熱いパフォーマンスを競う大会です。
手話言語のさらなる普及と理解を目的に毎年開催されており、2022年は9月に「手話の聖地」とも呼ばれる鳥取県で開催されました。
鳥取県は平成25年10月11日に、全国ではじめて「手話言語条例」を制定し、手話を言語として位置づけた日本初の都道府県です。
手話言語条例の制定によって、ろう者への理解の他に、手話通訳者の養成や、ろう者が手話でコミュニケーションをしやすい環境の整備が実施されています。
2022年には7月の予選審査を経て15チームが本戦に出場
2022年9月に鳥取県で開催された全国高校生手話パフォーマンス甲子園の予選は7月に実施されました。
全国から60チームが参加を申し込み、最終的には鳥取県内から出場の3チームを含めて15チームが出場することとなりました。
2022年の全国高校生手話パフォーマンス甲子園に全国3位の得点で予選を通過した鳥取聾学校では、男子生徒7人がマスクをすると表情や口の形が読み取れないという、コロナ禍特有の悩みや手話の奥深さについて話し合う演劇を表現しました。
2022年9月の大会には佳子様がご出席
新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン形式での開催となった2022年の全国高校生手話パフォーマンス甲子園に、秋篠宮ご夫妻の次女・佳子様が3年ぶりに鳥取県をご訪問されました。
佳子様は開会式で、「さまざまな取り組みややりとりを通して、手話言語に対する理解がより一層深まり、誰もが安心して暮らすことのできる社会に繋がっていくことを願っております」と手話でおことばを述べられました。
佳子様は全国高校生手話パフォーマンス甲子園にご出席される前日に、鳥取県内のスポーツ施設「ノバリア」を訪問し、トレーニング施設などを見学した後に、車椅子バスケットボールの練習の様子をご覧になられました。
全国手高校生手話パフォーマンス甲子園に出場する方法

全国高校生手話パフォーマンス甲子園は、毎年各地で開催されているので、出場するチャンスは毎年あります。
出場するためには参加条件・参加資格を満たす必要がある他に、参加申し込みを期日までに行う必要があります。
ここからは、第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園の応募要件から、出場条件や参加資格、応募方法などについて詳しく解説していきます。
出場条件・参加資格
- 開催される年度に高等学校(中等教育学校の後期課程を含む)または特別支援学校高等部に在籍している
- 本大会に出場することについて、在籍する学校長の推薦を得ている
- 本大会に出場するにあたって、原則として在籍する学校の教職員が引率できる
- 本大会の本戦の全日程に参加できる
上記の出場条件・参加資格は、第2回の全国高校生パフォーマンス甲子園のものです。
【参照】第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園|とりネット https://www.pref.tottori.lg.jp/244276.htm
全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出場するためには、開催される年に高等学校に在籍していることや、大会の本戦の全日程に参加できることが条件として定められていますが、重要なのが「在籍する学校長の推薦を得ていること」「在籍する教職員が引率できること」です。
高校生であっても、自分たちの意思だけで全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出場できるわけではないので、担任の先生や顧問の先生と相談する必要があります。
チーム編成の条件や演技内容
1チームの編成は、同一校または複数校で編成する連合チームの生徒および引率者で、生徒は20人以内、引率者は10人以内と定められています。
また、同一校から複数チームの応募は認められますが、本戦に出場できるのは予選審査で同一校中最上位だったチームとなるので、本戦で同一校同士が競い合うことはありません。
表現できる演技内容は、以下とされています。
- 歌唱
- ダンス
- コント
- 漫才 などのパフォーマンス
ただ上記のパフォーマンスを手話で行えばいいというわけではなく、手話を正確に使用しながら、伝えようとする意思をしっかりと持って、工夫された演出と構成、豊かな表現力が重要視されます。
演技時間は8分以内で、椅子や机などの簡単な小道具やスクリーンの使用は認められますが、準備に時間がかかる大道具や舞台装置、背景などの使用は認められていません。
第2回の全国高校生手話パフォーマンス甲子園では、舞台の有効スペースが間口15メートル、奥行き9メートルで、観客から手話や表現が見やすい範囲は、間口12メートル、奥行き6メートルだったので、この点も意識する表現が求められました。
審査方法
第2回の全国高校生手話パフォーマンス甲子園の審査方法は、主催者が委託した審査員が審査や採点を行いました。
審査員は予選審査4名程度、本選6名程度で、審査員の中から主催者が審査委員長を選出して正確に採点されます。
予選審査の際は、応募チームが提出した動画が審査対象となります。
応募方法
第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園では、5月中旬〜7月中旬必着で、参加申込書や学校長推薦書、チームの紹介文、選手の集合写真、手話パフォーマンスの動画や字幕用テキストデータを添えて送付する必要があります。
応募先や問い合わせ先、応募に必要な書類などは、毎年異なる可能性があるので、参加する年の募集要項をよく確認しておくようにしましょう。
また全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出場する際は、交通費や宿泊費の一部が助成されます。
助成を受けるためには領収書が必要になるので、レシートや領収書などの書類は必ず大切に保管しておくようにしましょう。
まとめ

全国高校生手話パフォーマンス甲子園は、毎年秋に開催されており、高校生が手話で演劇やコントなどさまざまな方法で正確な手話を用いて表現を行います。
手話を用いて幅広い方法で表現することで、これまで手話のことを知らなかった人も、「手話でここまでできるんだ!」「手話っておもしろいな!」と興味・関心を寄せてくれるのではないでしょうか。
小さな興味・関心が、いずれは手話言語への理解、ろう者への理解につながり、ろう者が生きやすい社会へと繋がるのではないでしょうか。